2013年11月17日日曜日

知らない顔

いま住んでいる土地に越してきて、四年目になる。
ランニングコースはいつも決まっていて、見慣れた景色。
なんだけれど、

今日の夕方、見慣れたはずのその景色が、全く違う色で輝いていた。

Uターン地点で引き返して
左手に広がったのは、
やわらかに沈む夕陽の色。

夕焼けのような燃える赤ではなく
やさしい黄色で輝きながら、夜の青に染まりはじめた空を、光らせていた。
ただの夕刻ではなく、
やさしくて、寂しい、夕暮れ。


四年も住んだ街なのに、知らない顔が、ある。まだまだ。



そんな空を見て
ぼんやりと、考えた。



すべてを捨ててもいいから、
誰に嫌われてもかまわないから、
一人でも、音楽を鳴らそうと。
歌おうと。

そう決めたのではなかったかしら。



一人でも鳴らそう、そこにブレはないけれど
何を手放しても、誰に嫌われてもかまわないと思うのには、まだまだ自分の精神力が追いついていない。


腹を決めて手放した
というか、離れたけれど
そして、それから巡ってきた出逢いやご縁は、素晴らしいものしか、ないけれど

逆なんだな。
素敵な出逢いを重ねれば重ねる程、失うことに対して、臆病になる。


それが良いことなのか悪いことなのかはわからないけれども。
そんなことを、ぼんやり空を観て、考えた。



本当はね、

凹んでる暇も落ち込んでる暇も、無いんだ。人はいつ居なくなるのか、わからないから。
居なくなるのは、私なのか、あの人なのか、あなたなのか
それすらも、わからないから。

歌う。

歌おう。

私たちには、

音楽を生み出して、紐解いて、ふれて、泣いて、つくりあげていく
音楽と出逢って、つくりあげる側にまわって、歌う側に立った

そんな私たちには、
それしか無いから。
それしか、残されていないから。

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